☆園設立の経緯
2013年、認定こども園わかば幼稚園の姉妹園としてベトナム・ハノイ初の日本人出資100%の幼稚園として設立されました。
運営母体
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学校法人国際教育機構認定こども園わかば幼稚園(静岡県富士市) |
協力企業
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グランコーヨー株式会社(神奈川県横浜市) |
ベトナム姉妹園
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MAM NON AI TO KIBO(ハノイ市) |
☆基本理念
『なかよく・楽しく・元気よく』
本園は、日本国の教育基本法、学校教育法、幼稚園教育要領、保育所保育指針と、ベトナム国の教育に関する法律に基づき、「子供たちが成長してから世界中の人々となかよくできる人材になれるように、人間・日本人としての基礎を培う」教育をすることを目的としています。また、「なかよく楽しく元気よく」友達や先生たちと遊ぶことを通して「学ぶ」ことを重視しています。
☆教育方針
●ピアジェ理論に基づいた教育
ジャン・ピアジェは、スイスの心理学者。20世紀において最も影響力の大きかった人物の一人です。
ピアジェが登場するまでは「幼児に知能なんてない」と考えられ、学習は小学校からと考えられていました。しかし、ピアジェは「生まれた瞬間から学習が始まる」ことを提唱しました。また、ピアジェは「知能の発達に応じた幼児教育が大切」と言いました。学習や教材の与え方はただ早ければいいのではなく、幼児の知能の順次性に応じてA→B→Cと段階を踏んだ発達を促すことが大事ということです。
園では、ピアジェ理論に基づいた教育を、特別教材『かず・ことば ぺたぺたシールあそび』を利用しながら実践します。『かず・ことば ぺたぺたシールあそび』は何度も貼ったり剥がしたりでき、失敗することを恐れず、楽しく繰り返すことができます。
☆かず・ことば ぺたぺたシールってなに?
「自発的に考えられる力」
子どもの思考力は、正しい知識が累積されて発達していくのではなく、子どもが自分の考えの過ちに気づき、自ら修正していく活動を通して発達します。指導者は間違いを指摘したり、答えを否定したりすることはありません。
「創造性」
『かず・ことば ぺたぺたシールあそび』は答えが一つではなく、子どもの知能の発達段階に応じてそれぞれの答えがあるので、新しい創造的な知能を伸ばし、柔軟で豊かな思考力を育てることもできます。日常の保育の中で、そして遊びの中で活かされ、子どもたちの能力を知らず知らずのうちに高めていきます。
「社会性・生きる力」
大勢の友だちの前で発表する場面を設け、自分の考えを伝えたり、友だちの考えを知ったりすることができます。子どもは、子ども同士の関わりの中で、社会性・生きる力が発達していきます。
●立腰をはじめとする躾の教育
教育哲学者の森信三先生が提唱した「立腰」、「躾の三原則」。「立腰」は「腰を立てる」姿勢を続けること、また、「躾の三原則」は「挨拶、返事、椅子をしまう・靴を揃える」ことです。
園では「立腰」、「躾の三原則」を中心とした人間・日本人として基本的な躾を実践しています。特に「立腰」は意志力、集中力、持続力、忍耐力など、勉強面、運動面、健康面で非常によい効果があります。社会道徳、規則を守る心、やりぬく力を身につけてもらいます。
ブログ 「日本人としての基本的な躾」
http://ameblo.jp/nakayoshi-youtien/entry-12277195412.html
●心身の調和の取れた発達を目指す日本式教育
日本の幼児教育の一番の特徴は、「心身」の調和の取れた発達を目指していることです。これは日本古来の考え方、「心と体はひとつである」「心が一番大切である」という文化の影響でしょう。昨今、「心はペーパーテストでは計測できないし、それよりも小学校の授業を前倒しで勉強した方が保護者に受けがよい」と考える幼児教育者が多く、大変嘆かわしく思っています。人間はまず「心」がしっかりと育たなければなりません。そうしなければ、中学・高校で難しい勉強に立ち向かえずやる気を失ったり、社会に出てからも労働意欲が沸かずにニートになったりするなどのリスクが高くなります。「心」がしっかりしていれば、小学校に進学後、先に勉強を進めていた子に追いつける、追い越せる「後伸び」する子になることができます。
☆豆知識 日本の幼稚園の主な歴史
1875年
フレーベルが創立した幼稚園をモデルにして日本初の幼稚園が誕生。フレーベルの唱える遊びを通した学びの教育方法が普及していく。
1881年
幼稚園で読み書きそろばんを教える早期教育が導入されるも効果が疑問視され、やがて廃止される。
1912年頃
モンテッソーリの教育法が日本に伝わり発展していく。
1960年代
ピアジェの理論が広まる。心理学の重要性が認識され、研究が続けられていく。
現 代
脳科学に基づいた教育方法、食育が盛んになる。
☆豆知識 世界各国の幼児教育は大きく2種類に分けられる
1、就学準備を重視するタイプ
= 就学準備型 プレスクール
アメリカ、イギリス、フランス、ニュージーランドなど
2、生活を重視して、ケア、養育、教育を包括的にカバーするタイプ
= 生活基盤型 キンダーガーテン
日本、ドイツ、スウェーデンなど
ブログ 社会情動的スキルと日本の「心情、意欲、態度」・「生きる力」
http://ameblo.jp/nakayoshi-youtien/entry-12277197125.html
☆教育の特色
●脳のことを考えた教育 心と脳と体を育む
成長ホルモンは子供たちの成長に欠かすことができない重要なホルモンですが、身体の作りを成長させるために必要なだけでなく、幼児の「脳」の発育にも重要な働きをします。成長ホルモンは特に4〜5歳頃に盛んに分泌されますが、成長ホルモンの分泌には、運動、食事、睡眠の3つが関係しています。
☆「運動」 心のありかの脳を育てる楽しい運動
脳は心のありかです。脳科学では、「幼児の脳が一番発達するのは、友達と楽しく運動をするとき」という研究結果があります。また、適度な運動で「成長ホルモン」と、「セロトニン」という精神を安定させる癒しのホルモンが分泌されます。昼間の運動量が少ないと、セロトニンが減ってイライラしたり、不安定になったり、切れやすくなったりします。また、セロトニンの不足は記憶力にも悪影響を与えます。セロトニンは日光を浴びるとたくさん分泌されます。本園では外で体を動かすことを重要視し、ハノイで一番運動をする園を目指して、スイミング、器械体操、剣道など様々な運動遊びを実施しています。
☆「食事」 食への興味、関心でたくさん食べられるようになろう
日本の幼稚園や学校では当たり前のように実施されている食育。本園でもクッキング、野菜栽培、農場遠足などの活動で食への興味、関心を引き出したり、給食を残さず食べる、マナーを守る、栄養についてなどを教えたりしています。海外では「好きなものを好きなときに食べる」、「食べない子供を外に連れ出して気を紛らわして食べさせる」などが目立ち、日本の幼稚園のような食育を行うところはあまりないようです。
☆「睡眠」 夜に寝る子は育つ
成長ホルモンはノンレム睡眠時により多く分泌されます。20時に布団に入ってしばらくして寝付けば、22時ころに1回目のノンレム睡眠に至りますので、「22時ころが成長ホルモンのゴールデンタイム」だと言う人もいます。また、太陽の下で運動したことで分泌されるセラトニンは、睡眠時にメラトニンという深く眠れるようしてくれるホルモンに変化します。昼間外遊びをして夜たくさん寝るという日本の生活サイクルはすばらしいですね。